LAを拠点とするサックス奏者/マルチインストゥルメンタリスト、Sam Gendel がニュー・アルバム blueblue を10/14にリリースする。今年リリースした11歳の少女Antonia Cytrynowiczとのコラボーレーション・アルバム LIVE A LITTLE、未発表曲集 SUPERSTORE に続くニュー・アルバムとなり、ドラムにCraig Weinrib が参加した他は全て自身の手により制作された作品。Leaving Records からリリースされる。

Blueblue は、マルチインストゥルメンタリストであり、ヴァイブの魔術師と呼ばれるSam Gendelの最新フルアルバムだ。10月14日にLeaving Recordsからリリースされるこのアルバムは、簡潔でタイトにまとめられた楽曲群で、14曲それぞれが日本の伝統的な刺繍のスタイルである刺し子の模様に対応している。このコンセプトは戯れに曖昧なままである。例えば、籠目(かごめ、竹を編んだもの)が同じ名前の模様を連想させるとしたら、それはどの程度のものなのだろうか。しかし、blueblue 全体を通して、Gendel が焦点を絞ったことが直感的に感じられるのだ。blueblue が豊かなテクスチャーを感じるというと、テーマ的には少し鼻につくかもしれないが、残念ながらそうなのである。親しみやすさ、謙虚さ、そして強さがここにはあり、それはマスタークラフツマンの仕事を代表するものだ。アーティストだけが、それを簡単に表現することができるのだ。

カリフォルニア州中部出身でロサンゼルス在住のGendelは、今や有名人だ。目まぐるしくリリースされるソロ作品やコラボレーション作品を通じて、彼は名人芸(主にサックス奏者としてだが、後にblueblueとなる曲はすべて当初ギターで作曲された)だけでなく、気まぐれで多作な作品群、つまりジャズやヒップホップ(そして両者のさらに遠い実験コーナー)に明らかに依存している一方で、一言で言えば、得体が知れない作品群で評価を得てきたのである。この点で、「オールジャンル」を信条とするLeaving Recordsは、Gendelにとって自然な住処である。

blueblue の大部分は、オレゴン州のコロンビア川の支流の上に浮かぶ小屋に作られた間に合わせのスタジオで、孤立してレコーディングされたものだ。ギターのメロディーをスケッチした後、5週間ほどでレコーディングを終え、その間に彼は川の潮の満ち引きを熟知するようになった。この有機的なリズムは、毎日、水平線に向かって家を持ち上げ、その後、川底に静かに沈めるというもので、このアルバムに浸透している。ポップ音、うなり声、人工的な音、そして blueblue の最も平穏な曲のひとつである「縦縞」では、かすかな水の音さえも聴くことができる。

blueblueを語る上で欠かせないのが、Craig Weinrib のキットワークだ。Gendel がオレゴンに滞在している間、GendelとWeinribは遠距離でコラボレーションを行い、GendelはWeinrib半分完成した曲を送り、パーカッションの録音を全権委任していたのである。その結果、2人のミュージシャンがリラックスし、自信に満ち溢れ、特にWeinribの丁寧なブラシテクニックに顕著に表れているように、明らかに相通じるものがある。

blueblue は、概念的に健全で、魅惑的で、喚起的で、音響的に特異なLPである。その名の通り、blueblue はGendelの色彩学として機能し、反復と逸脱を通して、ある特定のムードへの彼の傾倒を伝えている–名前は付けられないが、確かにノワール的で、ノスタルジックで、純サイケデリックで、ある永久の黄昏に存在している。

本物の人は知っているが、まだ知らない人にとっては、BLUEBLUE は、拡大し続けるGendel のカタログへの入り口として、親しみやすく、ワクワクさせるものである。

https://samgendel.bandcamp.com/album/blueblue

“Uroko (鱗, fish scales)”

“Tate-waku (竪沸く, rising steam)”

Sam Gendel – blueblue

Listen: Apple Music Spotify Bandcamp

Label: Leaving Records

Release Date: 2022/10/14

Tracklist:

  1. Tate-jima (縦縞, vertical stripes)
  2. Tate-waku (竪沸く, rising steam)
  3. Hishi-igeta (菱井桁, parallel diamonds or crossed cords)
  4. Shippō (七宝, seven treasures of the Buddha)
  5. Toridasuki (鳥襷, interlaced circles of two birds)
  6. Fundō (分銅, counterweights)
  7. Kōshi (格子, checks)
  8. Amime (網目, fishing nets)
  9. Uroko (鱗, fish scales)
  10. Hishi-moyō (菱模様, diamonds)
  11. Kagome (籠目, woven bamboo)
  12. Nakamura kōshi (中村格子, plaid design of the Nakamura family)
  13. Yarai (矢来, bamboo fence)
  14. Yoko-jima (横縞)
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