Nicola Kuperus と Adam Lee Millerによるデトロイト拠点のディストピアン・シンセ・パンク・デュオ、ADULT. がニュー・アルバムBecoming Undone を2/25にリリースする。2020年の前作 Perception Is/as/of Deception に続く9thアルバムとなり、Daisからリリースされる。
四半世紀にわたりほぼノンストップで活動を続けてきたデトロイトのディストピアン、シンセ・パンクの雄 ADULT. は、アルバムというフォーマットにおいて、「今回はバラバラになっているものが欲しかった」というスタイル上のまとまりを完璧に表現している。共同設立者であるニコラ・クペルスとアダム・リー・ミラーによる9枚目の公式フルアルバム Becoming Undone は、この目的を明確に成功させ、そのインスピレーションとなった惑星の不和を拒絶し、同時に反映させた作品である。2020年後半、前例のない流動性と地震による孤立を背景に始まったこの作品は、Kuperusがボーカル用ループペダル、MillerがRolandのパーカッションパッドという新鮮な機材を使って、彼らのミューズを刺激したものだ。Test Departmentの政治的なインダストリアルパーカッションやThrobbing Gristle の 20 Jazz Funk Greats の奇妙な雑多なシンセサイザーといったレガシーからの影響との再会は、無常と不協和をテーマとした一連の実に狂おしいセッションに火をつけることになった。ミラーは「メロディーやハーモニーには興味がなかった」と言う。
“Undoing / Undone”の緊迫したテクノイドの電撃から、”Fools (We Are…)”と”I Am Nothing”の歪んだEBMまで、両側は激しい酸性の反発と黒革の連続回路で、動揺と容赦のなさを漂わせている。また、スローテンポの曲では、”Normative Sludge”、 “She’s Nice Looking”などのボーカルFXが披露され、クペルスは憤怒と憑依を交互に繰り返し、犯罪、恐怖、妄想の世界の失敗を断罪している。バンドのケミストリーは終始、憤慨とストロボライトの反対意見で響き、悪魔祓いと非難を等しくする。クペルスは、「人間は常にかなり恐ろしい存在でした」と説明する。「でも、年々、文化の妥協が加速しています」。
Becoming Undone には、より個人的な痛みも込められている。というのも、このアルバムがリリースされる直前、パンデミックの真っ只中にクペルスの父親が他界したからだ。ホスピスで父の世話をしていた彼女とミラーは、意味を失ったモノに囲まれ、「身体を持つことの喜びと同時に、身体を持つことの徒労感」を感じながら、終末の凡庸さに直面した。このアルバムの妖艶なエンディング・トラック “Teeth Out Pt. II”は、偶然にもADULT. 史上初めてドラムを排除した楽曲であり、この運命的な肉体の塊の感覚と、私たちすべてを結びつける光のない、迫り来る未知の世界を語っている。船酔いしたような靄がゆっくりとした低い波でうねり、リングモジュレーションで揺らぎながら収まり、その上でクペルスは、まるでようやく青空の向こうを垣間見たかのように、朦朧とした陰鬱で超越した状態で歌い上げる。「いつの日か/いつの日か私は沈黙し/この容赦ない重力から解放される」。
https://www.daisrecords.com/collections/frontpage/products/adult-becoming-undone
“I Am Nothing”
“Fools (We Are…)“
ADULT. – Becoming Undone
Listen: Apple Music Spotify Bandcamp
Label: Dais
Release Date: 2022/2/25
- Undoing / Undone
- Our Bodies Weren’t Wrong
- Fools (We Are…)
- Normative Sludge
- I Am Nothing
- She’s Nice Looking
- I, Obedient
- Teeth Out Pt. Ⅱ