DanielとKilianのO’Kelly兄弟を中心に結成されたダブリンの5人組ロック・バンド、Silverbacksがニュー・アルバム Archive Material を1/21にリリースする。2017年のデビュー・アルバム Fad に続く2ndアルバムとなり、プロデュースはGilla Band (f.k.a. Girl Band)のDaniel Foxが担当。Full Time Hobbyからのリリースとなる。
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Archive Material は、アイルランドで最も魅力的なバンドの一つであるSilverbacksの地位をより強固なものにしている。2020年11月にダブリンのSonic Studiosで録音され、Daniel Foxが再びプロデュースを担当した本作は、バンドが初期の影響を受け、Tom Verlaine風の複雑な「ギターハーモニー」が満載の特異なインディーロックを聴かせてくれる。このアルバムでは、Neil Young、Weyes Blood、そして特に”Wear My Medals”ではBradford CoxとCate Le Bonの共作 Myths 004 などが参考とされている。
Fad がスタジオでの実験に興じるよりもライブの経験を再現することに重点を置いていたのに対し、Archive Material はその2つの境界線を巧みに行き来している。ユニットとしての彼らは、切ないローズ(“Carshade”)からコンガやGang Of Fourスタイルのベース(“Different Kind Of Holiday”)までを取り入れた複雑なアレンジによって、抑えきれないほどのライブのエネルギーを再現しているのだ。
アルバムのアートワークに代表されるような人類学的なアプローチを行った本作は、テーマとしても非常に豊かな作品となっている。”They Were Never Our People”は、YouTubeのコメントから生まれたもので、バイパスの建設により人通りが少なくなった町の衰退を描いている。一方、”Central Tones”は、かつての栄光と引き換えに満足しているように見えるが、内心は深く不幸な人物を描いた共感を生む人物の研究である。
いくつかの曲では、パンデミックが、地域社会についての考え方を考察するための効果的なプリズムとして機能している。”A Job Worth Something”は、妹がCOVID病棟で患者を治療している間、ダニエルが保険会社で働いた実体験と、その時に感じた無駄と罪悪感を振り返っている。”Different Kind Of Holiday”は、強制隔離期間中に、それまで無口だった隣人同士が絆を深める方法から着想を得ている。彼の観察は、私たちの多くが隔離期間中の最も困難な瞬間を和らげるために採用せざるを得なかったのと同じ、絞首台ユーモア(絶望的な状況で発せられるユーモア)のシュールな系統を帯びている。
Danielは次のように説明する。「誰だったか忘れたが、あるミュージシャンが、パンデミックについて書くのは控えよう、だってそんなこと誰が聞きたいんだ、と言っていたのを見た。しかし、私は、ある出来事について遡及的に書くよりも、実際にその出来事を経験した人の話を聞きたいのです」。
鋭く観察され、鮮やかに表現された Archive Material は、魅力的なインディー・ロックのレコードであると同時に、人間の回復力を目の当たりにした記録でもある。未来の歴史家が注目するような作品だ。
https://silverbacks.bandcamp.com/album/archive-material
“A Job Worth Something”
“Archive Material”
“Wear My Medals”
“Rolodex City”
Silverbacks – Archive Material
Listen: Apple Music Spotify Bandcamp
Label: Full Time Hobby
Release Date: 2022/1/21
Tracklist:
1. Archive Material
2. A Job Worth Something
3. Wear My Medals
4. They Were Never Our People
5. Rolodex City
6. Different Kind of Holiday
7. Carshade
8. Central Tones
9. Recycle Culture
10. Econymo
11. Nothing To Write Home About
12. I’m Wild